「あ、うん」
岩瀬はヨソヨソしく言う。
そしてネコがメニューを見てるのを横目に、私に言った。
「俺ちょっと彼女のこと苦手なんだ……。俺もトイレ行くよ」
「うん」
岩瀬はそう言って部屋を出ていき、私はネコの隣に動く。
「さっきヤバかったんだ。ネコがいてよかったよ」
「だから言ったじゃん。軽いからって」
でも……あのときは全然そんな風に見えなかったけど。
「なんで分かったの?」
「……ポテト」
「ポテト?」
「うん。本当に硬派な男はポテトをあーんってやっても断るんだって、こうちゃんが言ってた」
「こうちゃん……?」
「幼なじみの男の子。超感じ悪いけどね」
「ふーん」
それにしても、ポテトだけで軽いとか分かるのかな?
気の弱い男子だったら、断れないよね。
そして"こうちゃん"は猫のことなら、なんでも知ってるのかな?
どんな人なんだろう。
超感じ悪いってことは……スネ夫みたいな奴に違いない。
それより……。
「トイレ行きたくなったんだけど」
「行ってくれば?私唄ってるから」
ネコはそう言ってリモコンを操作してマイクを握る。
「……じゃあ、行ってくるね」
「うん」



