「うるさいなー!ネコと私が喧嘩してても山根さんには関係ないじゃん!!それに……そんな噂話信じてベラベラ喋って、そっちの方が最低だよ!!」
山根は顔をひきつらせて、口をパクパクさせて言う。
「……な、なによ。藤咲さんと離れてひとりだったから、可哀想って思って話し掛けてあげたのに……」
あげたのに……?
頼んでないし……。
私は山根の胸ぐらを掴んで、顔を近づけて言った。
「そんなの頼んでないし……今度余計なことベラベラ話してたら許さないからね?」
「………」
山根が泣きそうな顔をしているのに気づいて、ハッとして手を離す。
すると山根は急いで自分の席へと戻っていく。
そして又ネコの方に視線を向けると、ネコは変わらず前を向いてた。
強いな……ネコは。
それより私……やっぱり最低だ。
山根さんにあんなこと言ったけど、山根さんの言葉もあのときの私の言葉も同じじゃない……。
山根さんにあんなこと言う資格なんて、私にはないよね。
そして授業が始まり、休憩時間も体育の移動のときも、ネコと私は一言も口をきくこともなく、一日が終わった。



