「うん……」
「良かった」
ネコはそう可愛く言って、ニッコリ笑って岩瀬をジッと見つめた。
モヤモヤする。
すごくモヤモヤする。
ふたりの会話をボンヤリ聞きながら、山根の言葉を思い出してた。
ネコは本当に子供をおろしたのかな?
だったら……こういうことも平気かもしれない。
でもなんで岩瀬くんなの?
私のタイプだって分かってるのに、目の前でそんなことするの?
ネコがよく分からない。
もしかして、友達の彼氏とか平気で取る女子なのかもしれない。
だから、
同じ中学の子がいない学校を選んだ……?
そして時間が経つとネコはいつものように言った。
「そろそろ帰ろ?」
「もう?」
「うん。帰って掃除とかご飯作らないといけないから」
何回か聞いたネコのこのセリフに、
「へぇー、萌ちゃんってちゃんと家事してるんだね」
「そうだよ。料理得意なんだ。今度お弁当作るから、動物園に行こうよ」
モヤモヤが止まらない。
「いいね」
今更、女子力アピールなんてしなくてもいいのに。
「じゃあ帰ろ?」
目の前で岩瀬とネコが連絡先を交換していて、
私はもう喋る気力もない。



