「司、帰ろうよ」
「うん」
いつものようにネコと一緒に学校を出て、電車に乗る。
そのとき、ひとりの男子の姿が私の目の中に飛び込んできた。
嘘……。
世の中に存在したんだ。
私の王子様……。
「司、なにやってんの?」
「あ、うん」
私はなにもなかったかのように平然を装い、チラチラとあの男子の姿を確認しながら、ネコと一緒に席に座る。
肌が白くて、少しだけ長いサラサラヘアー。
少し切れ長の目にお洒落な眼鏡が、なんだかすごく知的に見える。
何処の高校なのかな?
「ねぇ、さっきから何処見てんの?」
え?
顔が熱くなり私は顔を手で扇ぎながら、慌ててネコに言った。
「なに?なんのこと?別に何処も見てないよ」
するとネコは王子の方を見て軽く二、三回うなずき言う。
「いたじゃん。司のタイプの男」
「……。なに?なんのこと?」
「声掛けて仲良くなればいいじゃん。暇なんでしょ?どーせ」
暇なんでしょ?って……。
そうだけど、
そうだけど、声なんか掛けれる訳ないじゃん!
そう思ったとき、ネコは立ち上がり王子の方に歩いていく。
「ちょっ……ネコ!」



