すると堂林は山根をチラッと見て、小さな声で言った。
「いいよ。ちょっとウザいんだよねー。メールとか返す迄十分置きに送ってくるしさー。プライド高くて自慢話も多いし」
「そうなんだ?」
「うん。でもよかったよ。萌ちゃんみたいに可愛い子に会えたから」
堂林はネコのことをジッと見て、ネコは恥ずかしそうに上目遣いをして言った。
「やだ。照れちゃう」
ふたりの間に変な空気が流れる。
付き合い始めのカップルみたい。
山根さんはどうしてるんだろう?
チラッと山根の方を見ると、鋭い視線でネコを見ていた。
これだから女子は怖い。
なんて呑気なことは言ってられない。
私が左肘でネコの腕をツンツンすると、ネコは不思議そうな顔で私を見る。
私はネコの耳元で小さな声で言った。
「山根さん怒ってるよ?」
ネコは首を傾げたあと、山根の方を向くと、勝ち誇った顔をして笑ってみせた。
ちょっ、なんで又そんな怒らせるようなことを……!
気持ちは分かるような気もするけど、なんか山根さん超怒った顔してるよ。
でもネコは知らん顔をして堂林と楽しそうに話してる。
……え?
私が山根の方を向くと、山根がすごい勢いでこっちに歩いてくる姿が、目の中に飛び込んできた。



