そして金曜日の放課後がきて、山根が呼びに来た。
「じゃあ行こうよ!」
「……うん」
ネコ、本当に大丈夫かな……。
ネコを見ると、トロンとした目でアクビをしてる。
お願いだからその調子でいてね。
ネコが女子に嫌われたら、私まで気まずくなる。
「どうしたの?」
「ううん。なんでもないよ。じゃあ行こうか?ネコ、行くよ」
「はーい」
ネコと私、山根と加東と国見で学校を出た。
「今日って何処でやるの?」
「とりあえず、軽く食べようってなってて、サバンナに集合だよ」
「そっかぁ」
「うん。ていうかさぁ、藤咲さんさっきから静かだけど、大丈夫?体調でも悪いの?」
山根の声にネコはダルそうに顔を上げる。
「別に大丈夫だけど」
ネコの態度に微妙な空気が流れ、私は慌ててフォローする。
「あっ、ネコは人見知りなんだよ」
「ネコ……?藤咲さんのこと、ネコって呼んでるの?」
「そうだよ。猫顔で可愛いから」
「だよねー。私も入学式のときから可愛いって思ってた。ねぇ、藤咲さん。今日合コンに来る堂林くんって子、私狙ってるから取らないでね」
山根がそう言うと、ネコは又ダルそうに答えた。