「合コン?」
「そう。三校の男の子達と五対五でやらない?って。後ふたり足りないんだけど、可愛い子揃えてって言われてるし、来てくれないかな?」
山根はそう言って顔の前で両手を握り、お願いのポーズで私とネコを見た。
私はネコの顔を見て『どうする?』の合図を送る。
私はいいけど、ネコの豹変振りを見たら引いちゃいそう。
やめといた方がいいんじゃないかな。
断ろう。
「私そういうの……」
私がそう言いかけたとき、ネコが言った。
「いいよ。いるだけでいい?」
え?
そんなことできるの?!
「いいよ!よかったー!金曜日の放課後だから空けておいてね」
「分かった」
山根は嬉しそうに友達のところに戻っていき、私はネコに聞いた。
「いいの?」
「……なにが?」
「普通にいるだけなんてできるの?」
「できるんじゃない」
「できるならいいけど」
いつもみたく、豹変したら嫌われちゃうよ?
三校ってイケメン多いって聞くし。
女子ってそういうの面倒臭いの分かってるのかな?
ネコがいいって言ったんだから、知らない。
知らないんだから。