------ドキ、ドキ、ドキ…




何でだろう。

訳もなくドキドキする。
何かの、予感がする。


…これは、何…?







「…千夏ー。」




------ビクッ!




部屋の扉越しに仁美さんの声が聞こえて
ビックリして肩を揺らす。





「は、はい?何でしょうか…?」

「あー…、今日学校終わったらいつも通り迎え行くから。」





(あ…今日のことだ…。)





なんだかあっちもソワソワしているのか
照れ臭そうな声に
思わず私も照れてニヤけてしまう。


いつも通り迎えに来てくれるんだぁ
なんてちょっとしたことにも喜びを感じる。





(…あれ、何で私こんなにうきうきしてるんだろう…。)





あぁそうか
きっと仁美さんと出掛けるのが久々だからだ。


あの海以来だもん。

だから少し楽しみなのかも。






「ほら、早く出るぞ。遅刻するなよ。」

「はい!今出ます!」





隠しきれない笑顔で部屋を出れば
思ったとおり照れ臭そうな顔をした仁美さんが
私を見て「何笑ってんだ。」と頬をつねる。




私たちはそのまま学校へ向かった。