「…見せろ。」
「え、それは、ちょっと…!」
俺は千夏から携帯を取り上げ
千夏より先にあの小僧からの連絡を見る。
(次は何仕掛けてくるつもりだあいつ…。)
そう思いながらトーク履歴を押す。
「………!」
『今日は本当にごめん。
あいつらには俺から全部誤解解いといたから。
だから明日普通に学校来てな。』
『あと、首の絆創膏のやつ…
もしかしてキスマークじゃないよね?』
(こいつ…首の絆創膏に気づいて…。)
「…仁美さん?どうかしました?」
俺が固まって画面を見ているのに気づいて
どうかしたのかと携帯を覗き込んでくる。
(-------っ!!)
「ダメだ!まだ見るな!」
「え、ちょ…!!」
そう言って急いであいつとのトーク履歴を削除する。
「あーーーーー!!」
ふぅ…危ねぇ。
こいつが見たらきっとまた小僧に近づきかねない。
そうなったらまた面倒な展開になって
口止めにデートしろだのなんだの
言われるに違いない。
「お前は知らなくていいことだった。
それに、既読無視するくらい良い罰だろ。」
そう言って千夏に携帯を返す。
ざまぁ見ろクソガキ、と
心の中で鼻で笑ってやった。
(でもあっちから何か仕掛けてきたら…。)
はぁ…
本当に面倒くさい相手に気に入られたな
このバカ犬が。

