「お前あの後ずっと寝てたんだから
もう睡眠は十分だろうが。
俺の2倍は寝てるんだぞ!」
海の帰りに爆睡したにも関わらず
千夏はお風呂に入って夕飯を食べた直後(およそ午後7時前後)に
自分の部屋でまた爆睡していたのだ。
明日のシャツを部屋に届けに行った時に
まだ寝る気なのか?!とかなり驚いた。
「育ち盛りですし昨日は体動かして疲れたんですもん!」
「関係あるかそんなもん!若いんだからこんな寝なくたって生活できるわ!」
まぁいつも通り朝から騒がしく言い合いをして
あいつの着替えを待ちながら立っていると花崎が迎えに来て
朝食をとる。
そしていつもの通り車に乗り込んだ…のだが
「…あ、そういえば。」
千夏がハッとしたように鞄を探り
バッと取り出したのは携帯だった。
そういえばこいつ全然自分の携帯使ってるところ見たことねぇな。
本当に活用してるのかこいつ?
これでも本当に現代の高校生なのか?
「やっぱり…機内モードのままだ…。」
(お前それじゃ意味ねぇだろうがー!!)
俺は心の中でこいつの言葉に突っ込む。
ずっと機内モードってどういうことだよ。
いや確かに充電持つし無駄にインターネット代かからなくて節約かもしれないが!
連絡取れねぇし何もできねぇし何やってるんだこいつは。
「お前もっとしっかり活用しろよ…。」
「存在忘れちゃってて…。
……あ、すごい連絡きてる…。」
「誰から。」
「えっと雛…親友と、凛太朗くんから…。」
----------ピクッ
"凛太朗"という単語に
思わず耳が反応する。

