千夏の言葉で
一瞬目の前が真っ暗になった感じがした。
(-------今、なんて言った…?)
「…黙っててごめんなさい。
仁美さんには、嘘つきたくなくて…。」
そう言って頭を下げる千夏。
(-------------。)
俺は自分の中の黒い何かが
心を多い尽くすのを感じた。
「………。」
俺は座っていたベッドから降りて、立ち上がる。
そしてそのまま前にいる千夏の方へ歩いて行く。
…もう、止められなかった。
「……仁美さん…?」
顔を上げた千夏が
俺の様子を見て何か違和感を感じたのか
近づく俺に反して
少しずつ後退りをする。
「--------千夏。」
そしてとうとう
千夏は扉に背がついて
逃げ場を失った。
そのまま迫りくる俺に
目を背けられないまま
遂に俺に捕まった。

