(…俺らしくないな…。)
寝る以外でほとんど使わない
自分の部屋に1人で入って
ベッドに倒れこみこうして1人で悩んでいる。
今までの俺じゃこんなことありえなかった。
(……この黒い気持ちが早く無くなればいい。)
醜くて辛くて苦しい。
頭がおかしくなりそうだ。
早く消えろ。
俺の中から出て行け…!
----------コンコンッ
そんな時に
俺の部屋を誰かが訪ねた。
花崎…か?
俺の荷物を起きに来たのか?
それならさっさと置いて早く出て…
--------ガチャッ
「--------!!」
「…仁美さん。」
俺の部屋に訪ねてきたのは
(………千夏…?)
千夏だった。
どうして来たんだ。
1人にして欲しいことくらい
こいつも分かっているだろ…?
そう思いながらベッドから体を起こし
ドアの前で立ち尽くしている千夏に告げた。
「…出て行け。」
思わず低い声が出た。
いつもと違って自分でも雰囲気が黒いことくらい分かる。
千夏は俺の声にビクッとしながらも
そこを退かなかった。
「聞こえなかったのか?
今は話せる状態じゃないから早く出て行け。」
「…仁美さん…。」
俺言葉に
千夏が退くことはなかった。
俺の名前を呼んで
下を向きながら口ごもっている。
(-------やめろ、今の俺は…)
黒い気持ちに押されて
どうにかなりそうだった。
この気持ちがこれ以上でかくなる前に
早くここから…
「…本当はキスされたんです。凛太朗くんに。」
----------え?
千夏の言葉に
俺の中の黒いものが一気に広がった気がした。

