「お休みの日くらい寝てたいです…。」

「ダメだ。
俺は早くお前と過ごしたい。」






お前が寝てる間
俺がどれだけ暇してたと思ってる。






何だか次は仁美さんが拗ねたように
私を見てきた。





-----ドキッ






私は彼の素直な言葉に、
思わず目を丸くしながら、赤面した。






(うぅ…この人の不意の素直さは
心臓に悪い…。)






ズルいです、と
心の中で呟きながら


私は仕方なくベッドから立ち上がって
仁美さんを追い出す。







「何だよ、着替えなら手伝ってやるけど?」

「っ…け、結構です!」







仁美さんから布団を取り上げて、
彼を部屋の外に追い出すと

私は急いで服を着替える。




布団を綺麗にベッドに敷き直してから
私は廊下に出た。








「お待たせしました。」

「本当だ、まったく…。」







そう言って

壁に寄っ掛かりながら私を待っていた
仁美さんは、ゆっくりと体を壁から離して

私の方へ歩いてくる。





…でもその顔は、何だかんだ嬉しそう。







(ふふ…こういうところは可愛いよなぁ。)







と私が小さく笑みを浮かべていれば、

それを見た仁美さんが
グイッと私の顔を覗き込んでくる。







「…何だよ。ニヤケやがって。」

「なっ…ニヤケてないです!」

「いーや、ニヤケてたね。
…誰のこと考えてたんだよ。」







グイッ----





そう言って
仁美さんは私の顎をつかんで

私を上に向かせる。