-----彼はもともと 同じ施設の男の子だった。
私が施設に入った時にはすでに高校生で
年の差は10歳は軽く離れているだろう。
でも私が施設に入ったのが
覚えのないくらい小さかったから
詳しくはわからないけど。
とにかく覚えているのは
彼はとっても優しい人だった、ということ。
…いや、今思えば
それも"異常"だったのかもしれない。
にしても
彼はもともと優しい人だと思う。
施設の中で年上組の彼は
下の子供達を分け隔てなく
可愛がってくれた。
でも私には
異常なほどの"優しさ"だった。
小さい頃はよく一緒にお風呂にも入っていた。
しかしそれはあくまでも
私が"幼かった"から良かった話。
彼が高校を卒業して大学に入った頃
彼はもう施設を出て
1人暮らしを始めていた。
そしてバイトと称して
私のい施設で働いていた。
そんな生活が続いた数年後のある日…
すでに私はもう中学生だった。
もちろん、思春期を迎えている私。
彼もそれは経験済みなはずで
分かっていたはずだった。
そんな私に
彼は私に言った。
「一緒にお風呂に入ろう。」
と。
最初は冗談で
からかいだと思って対応していた私だったけれど
日に日に言葉に
"本気"が伺える様子が見えてきた。
腕を引っ張って
お風呂場まで連れて来られたり
服を脱がされそうになったこともあった。
私が泣いて抵抗するまで
彼は正気を取り戻すことはいつも無かった。
その時に私は知った。
彼は
"ロリータ コンプレックス"だった。
異常な程の
私へ"性的"な視線を向ける彼に
私は怯えるようになった。

