「ううん、大丈夫」
涼平が女の子と話しているのを見て、胸が痛くなったなんて言えない。
「千夏、お茶買ってきたよ。飲む?」
「うん、ありがと」
りっちゃんが差し出したペットボトルのお茶を、私は受け取る。
さっき……涼平も、女の子のペットボトルを受け取っていた。
ああ……思い出すだけで、苦しくなる。
私、いつの間にこんなに涼平のことが好きになっていたんだろう。
こんなに涼平のこと、好きになっていたなんて気付かなかった。
ピ――――――ッ。
そのとき、ちょうど試合開始のホイッスルがグラウンドに鳴り響いた。
私は、複雑な気持ちのままグラウンドを見つめる。
相手の学校は、桜木高校の隣の高校で、実力の差はほとんどないらしい。

