「せっかく来たんだから、負けないでよね」



「りょうちゃん、がんばってね! すず、応援するから!」



りっちゃんと涼夏ちゃんの言葉に、涼平は頷いた。



「おう! 絶対勝つからな!」




その時、向こうの方で涼平を呼ぶ声が聞こえた。



「おーい! 涼平! もう時間だぞー!」



「はーい! 今行きまーす!」



涼平はそう言って、向こうの方に走って行ってしまった。







走っていく涼平を、目で追う。



後ろ姿までかっこいいんだから、涼平は。




「千夏。あたし、ちょっとトイレ行ってくるね」



「すずも行くー!」



「うん、分かった」



りっちゃんと涼夏ちゃんはそう言って、手をつないでトイレに行ってしまった。