「千夏ー! 梨紗ー! 涼夏ー!」
向こうの方で、大声で私たちを呼ぶ涼平。
私たちは炎天下の中、ここ 涼平の通う桜木(さくらぎ)高校にやってきた。
今日はここで、サッカー部の試合がある。
涼平が出ると聞いて、私とりっちゃんと涼夏ちゃんで見に行こう、という話になったんだ。
とは言っても、涼平はサッカー部に入っているわけじゃない。
涼平は小学校の時と中学校の時にサッカー部に入っていたらしく、サッカーが得意で今日はサッカー部の助っ人として試合に出るらしい。
涼平は相当サッカーが上手いそうで、なんで高校ではサッカー部に入らなかったのかが謎だ。
「本当に来てくれたんだ!」
「うん。涼平がサッカーしてるとこ、見たいし」
「さんきゅ、千夏」
涼平はユニフォームを着て、爽やかに笑っている。
ユニフォーム、似合うなぁ……。
サッカー部じゃないのに、試合に出るメンバーの中で一番サッカー少年っぽい涼平。
かっこいいなぁ……。