君色の夏






“可愛い”って、私のことを言ってるわけじゃないのにドキドキする。




「へぇーっ。涼平は千夏みたいなちっちゃい子が好きなんだぁ。へーっ」



横からりっちゃんが割り込んできた。



千夏みたいなちっちゃい子ですと!?



「もうっ! りっちゃんまでちっちゃいって言わないでよ~!」




涼平も、りっちゃんも、ひどいよ!



この町に来てから、この二人に何回ちっちゃいちっちゃいと からかわれたんだろう。




私が頬を膨らませてすねていると、急に手のひらに温かいものが触れた。




「涼平?」



温かいものの正体は、涼平の手だった。




「お前がはぐれたら困るからな。手離すなよ」




ドキドキドキドキ。



恋をすると、女の子の心は忙しい。



君の言葉や仕草ひとつで、こんなにも気持ちが変わっちゃうんだもん。