君色の夏





長い髪の毛で、りっちゃんの表情は見えなかった。



だけど、苦しそうな、辛そうな表情をしていることは見なくても分かる。



「りっちゃん」



りっちゃんに何があったのかは分からない。



だから私は、そーっとりっちゃんの頭を撫でてあげることしかできなかった。






「あ、頂上だ」



顔をあげたりっちゃんは、一言そうつぶやいた。




りっちゃんはきっと、涙の理由を私には話したくないんだと思う。




だけど、私はりっちゃんに無理矢理それを聞くことはしたくない。




私には関係ない話だったとしても、もし私に話してくれるんだったら、りっちゃんのタイミングを待とうと思うから。




今無理にそれを聞いたって、私はどうすることもできないと思う。




だから……今は、何も聞かない。




「りっちゃんが話せるようになったら、いつでも話してね。私、なんだって聞くから」




りっちゃんは私の顔を見つめると、深く頷いた。