君色の夏





「千夏。一緒に散歩してくれたら遊びに行く、って言ったよね?」



「あ……はい……」



怖い……顔が怖いです、梨紗様。



結局、私がりっちゃんの長い長い散歩に付き合わされてから出かける準備を始めたことは言うまでもない。




「りっちゃーん! 準備できたよ!」



私は出かける準備万端で、りっちゃんの家の前でそう叫んだ。



「千夏。声でかいって言ったでしょ。近所迷惑」



ガラガラと扉を開けて出てきたりっちゃんに、今日2度目のお説教を受けた。




「りっちゃん、おしゃれだね! モデルさんみたい」




白い天使のようなワンピースに、赤いパンプスを身にまとうりっちゃんは、すごく可愛かった。




「千夏も可愛い。ほら、行くよ。電車間に合わないから」




りっちゃん……そんな棒読みで、『千夏も可愛い。』って言われても正直うれしくないんだけど……。




「千夏、なにぼけっとしてんの。電車10時に来るから、遅れるよ」




ああ、そうだった。