「ここが千夏の部屋だよ」
古びた階段を上っていくと、小さなドアがあった。
それを開けると、私はあっと息をのんだ。
その部屋の奥の方には窓があって、そこから町の景色が見える。
家の二階から見える景色も、きれいだった。
「なかなかいい部屋でしょう」
おばあちゃんはにこにこしながらそう言った。
「うん! ありがとう、おばあちゃん」
その部屋には、ベッドと机がちゃんとあった。
「その机を使って、ちゃんと夏休みの課題をやりなさいねぇ」
おばあちゃんはのんびりした口調でそう言うと、また階段を下りて行った。
私は早速、キャリーケースの中の荷物を出す。
「うへぇ………」
唯一の、夏休みの嫌いなところ。
それは……課題が山のようにあることだ。

