「3500円になります」
私がお金を出そうとすると、涼平が既に店員さんに5000円札を渡していた。
「え、ちょっと、涼平。自分で払うよ」
私がそう言って上を見上げると、涼平は いいって、と笑った。
その笑顔に、頬が熱くなって、ドキン、と胸が高鳴る。
私はあわてて、涼平から顔をそらした。
このまま涼平を見ていたら、もっと胸のドキドキっていう音がうるさくなる気がしたから。
なんだろう……この気持ち。
「お客様、お品物です」
私は店員さんのその声で我に返ると、商品を受け取った。
「よかったらそこに更衣室があるので、ぜひ使ってくださいね」
そう言ってニコッと笑った店員さん。
優しい人だなぁ……。
「じゃあ涼平。私着替えてから行くから、先に海行ってて」
「分かった。千夏も後で来いよ」
「うん」

