君色の夏





「え? 泳がないの?」



涼平が当たり前のようにそう言うから、拍子抜けしてしまった。




「ていうか、水着持ってないし!」



「あそこのお店に、水着とか浮き輪とか売ってると思うよ。俺が買ってやるから、行こうぜ」



いやいや……そういう問題じゃないんだけど……。



「いや、いいよ。水着は自分で買う」



水着なんて、高そうだし。



いくら無理やり連れてこられたとはいえ、涼平に買わせるわけにはいかない。




「いや、俺が買うよ。俺が無理やり連れてきたんだし」



「いいって!水着を買うお金くらいあるから!」



私と涼平は、言い合いをしながらその水着が売っているというお店に向かった。




おばあちゃんの家があるあの町もなかなか田舎だけど、この町も結構な田舎だ。



周りには家が数軒あるだけで、コンビニもほとんどない。




どうやら、涼平は水着をちゃっかり持ってきていたらしいので水着を買うのは私だけだ。