「千夏、もうすぐ降りるぞ」
「あ、うん」
私は膝に乗せていたリュックを肩にかけると、席を立った。
ドアが開くと、私と涼平は外に出た。
「ここ、どこ?」
見慣れない町の景色。
涼平は知っている場所なのかな。
「千夏、ついてきて」
ここで突っ立っていてもしょうがないので、私は言われるがままに涼平についていった。
「わぁっ!」
きれい………!
私たちが電車に20分乗って来たのは、太陽に反射してキラキラと光る海だった。
「俺の、とっておきの場所なんだ。今日はここで、遊ぼうぜ!」
涼平はそう言うと、満面の笑みを浮かべた。