「ねぇ、涼平ってば。どこ行くの?」
私がこの町に来た電車と同じ電車に乗って、私と涼平はどこかへ向かっている。
「だーかーらー、着けばわかるって!」
にこにこと笑いながらそう言う涼平。
さっきから何度も、今から行く場所を聞いてるのに……涼平ったら、何も言ってくれない。
着けばわかるって言ったって、気になるんだもん。
「教えてよ~」
「もうすぐ着くから。ちょっと待てよ」
「え~」
私は諦めると、座席に座って外の景色を見つめた。
こうしておばあちゃんの住む町に来た2日前が、ずいぶんと昔の出来事のような気がする。
たったの2日前の出来事なのにね。
『まもなくー、△△駅ー』
車内に流れるアナウンスを聞いて、涼平が口を開いた。