「でもまあ、仲良くしてやってな」
「うん、もちろん」
その時の涼平は、なんだか涼夏ちゃんのお父さんみたいだった。
「明日はどっか行く?」
私の家の前に着き、私が足を止めると涼平はそう聞いてきた。
「私、この辺のことよく知らないから……分かんないなぁ。なんか、遊べる場所ある?」
「じゃあ、明日はちょっと電車乗って遊びに行く? この町じゃ、遊べる場所なんて限られてるし」
電車かぁ。
楽しそうだな。
「うん! じゃあ、そうしよう」
「了解! じゃあ、千夏。また明日な」
「うん、また明日ね」
私たちはそう言って別れた。
夕日がちょうど、遠くの山にしずんだ瞬間だった。