「ほら、千夏。お家に行こうねぇ」
おばあちゃんはそう言って歩き出す。
駅からおばあちゃんの家までは、歩いて五分くらい。
家から駅が近くていいなぁ、と思うもののこの駅には一時間に一本くらいしか電車が来ない。
さすが、田舎。
「今日も暑いねぇ」
おばあちゃんが歩きながらそう言う。
確かに、暑い。
そこら中の木から、セミの大合唱が聞こえてくる。
ここは、ただ突っ立っているだけで汗が首を伝うほど暑い場所だ。
私は汗をかきながら、おばあちゃんの家まで歩いた。
「はぁ……着いた………」
「いらっしゃい、千夏」
おばあちゃんが玄関を開けて出迎えてくれた。
「おじゃまします」
家の中に入ると、おばあちゃんの匂いがした。

