君色の夏





「千夏(ちなつ)?」



名前を呼ばれてふと顔を上げた。



「おばあちゃん!」



「まあ、千夏。大きくなったねぇ」




私の頭を撫でながらそう言うおばあちゃん。



おばあちゃんの温もりが何だか懐かしかった。



「おばあちゃん、今日からよろしくお願いします」



今日は夏休み初日。



今日から夏休み最終日まで一か月ほど、私はこの田舎にあるおばあちゃんの家に住むことになったんだ。




私のお父さんは、私が小さい頃に病気で亡くなったから、お母さんは女手一つで私を育ててくれている。



そのお母さんが、夏休みの間 仕事で海外に行くというので、私はおばあちゃんの家に預けられたのだ。




いつも都会の街にいる私にとって、こういう田舎の町はすごく新鮮。




親友の舞香(まいか)は部活漬けの毎日で遊べる日なんてないし、彼氏だっていない。




だから私はゆったりと夏休みを楽しもうとここへ来たというわけだ。