君色の夏





東京では、近所の人とは仲がいい人なんていないどころか、喋ったことのない人ばかりだ。



「っていっても、周りに住んでんのはみんなおばあちゃんやおじいちゃんばかりだけどな」



「そうなの? この辺に、子供はあんまり住んでないってこと?」



「まあな。でも一応、少しは いるよ」



「でもさ、そんな田舎のおばあちゃんやおじいちゃんと喋ってて楽しいの?」



だって、田舎のおばあちゃんとかおじいちゃんがする話なんて、世間話とかくらいでしょ?



「楽しいよ。貴代さんなんて、孫の話とか自分の昔の話とかしてくれるから、面白いんだよ」



「そうなんだ……」



涼平って、なんか変わってるなぁ。



おばあちゃんやおじいちゃんと話すのが楽しいなんて。









「ほら、千夏。あともうちょっとだぜ」



本当だ。



もうすぐで着く。



山頂から見る景色……。



きれいなんだろうな。