「涼平、どうしたの? 熱でもある?」
私がそう言うと、涼平は顔をそむけてなんでもない、と言った。
大丈夫かな。
この暑さじゃきっと、熱中症になっちゃうよ。
涼平の言っていた『山』とは、小さな山で三十分ほどで山頂までたどり着けるらしい。
山頂で昼食をとって、少し遊んでから家に帰るつもりだ、と涼平は言った。
そして、二人で一緒に歩きながら、山まで向かった。
「ほら、千夏! 見えてきたぞ!」
そう言ってはしゃぐ涼平は、なんだか小さな子供みたいだった。
「あっ、本当だ」
しばらく歩いていると、向こうの方に山が見えた。
小さな山だけど、存在感がある。
「千夏~、今何時?」
涼平にそう聞かれ、腕時計を見る。
「うわっ」
涼平に返事をする前に、びっくりした。

