君色の夏







「ごめんごめん、千夏。怒るなって」



昨日も、私の身長のことばかにしてたくせに。




真剣に謝ってくるから、許してやろうと思った私が間違いだった。




「千夏」



その時、後ろを歩いていた涼平に呼びかけられ、私は振り返った。



「なに?」




「ほら、これあげる」



お詫び、と言って涼平は私の手のひらに小さな飴玉をのせてくれた。



「わぁ、あめちゃんだ!」



「千夏……あめちゃん、って、大阪のおばちゃんじゃないんだからさ……」



小さな飴玉でいきなりテンションが上がった私を見て、涼平は呆れたようにそう言う。



包み紙をとって飴玉を口に入れると、口の中でふわっと甘い味が広がる。




「おいしい! 涼平、ありがと!」



笑顔でそう言うと、涼平の顔が少し赤くなった気がした。