「まだ六時じゃんー……もう少し寝かせてよ」
こんなに早い時間から、山登り?
そう思って私がまたベッドの中に入ろうとすると、またばかでかい声が聞こえてきた。
「ちーなつー! 早く起きろよー!」
なんだよもーう!
眠気が覚めちゃったじゃん。
昨日長旅で疲れたって言うのに……もう少し寝たかった。
なんだって、六時なんかに起こさなくても……。
ここの人たちって、起きる時間が早いのかな?
今は夏休みなのに……。
夏休みって、十時くらいまで寝てのんびりするものじゃないの?
そんなことをつぶやいても仕方がないので、私はしぶしぶ起きて着替え始める。
一階に下りて、洗面所で顔を洗う。
「あっつ……」
今日も、暑い。
朝からセミが、ミンミンと鳴いている。
こういう暑い日は、長い髪がうっとうしい。
私は腰まである髪を頭のてっぺんで結んだ。