「千夏ー! はよーっ!」



翌朝。



ベッドでぐっすりと眠っていた私は、窓の外から聞こえるその声で目が覚めた。



「おーい、千夏ー?」



「へっ!?」



この声は……涼平?



え?



なんで涼平の声が聞こえるの?



もしかして、まだ夢の中?



私はあわててベッドから降りて、目をこすりながら窓の外を見る。



すると、下の方から涼平が手を振っていた。



「千夏、はよっ! 山登り行こうぜ!」



「はっ?」



山登り?



今から?



時計が指すのは、六時。