ガタンガタン。



揺れる電車の中で、私は外の景色を見つめる。



きれいな緑色の木、さらさらと流れる川。



抜けるような青空。



「きれい………」



ここは、私の住んでいる東京とは正反対のドがつくほどの田舎。



東京にあるような高いビルなんてひとつもなくて、辺り一面山と川だ。



『まもなく○○駅です』



あ、私が降りる駅だ。



私は、キャリーケースを持ってリュックを肩にかけた。



扉が開くと、私は外に出る。



わぁ………懐かしいなぁ。



おばあちゃんの家に行くのなんて、何年振りだろう。



もう長い間来ていない気がする。




「千夏(ちなつ)?」



名前を呼ばれてふと顔を上げた。