君色の夏





それでも、涼平に心配をかけたらいけないんだから。




「それでさ。俺……」




「なに?」




真剣に私を見つめる涼平の瞳を、私も見つめ返した。




「生きることにした」




「え?」




「俺の命の期限は、もうあと一カ月しかないっていうことは、千夏も分かってるよな?」




私は少し俯いて、頷いた。




認めたくないけど、認めなきゃいけない現実。




「その一カ月を、人生で最高の一カ月にするか、つまらない空っぽの一カ月にするか。考えてみたんだ」



どうせあと一カ月の命なら、最高の一カ月にしたい。




自分の人生は決して長いものではないけれど、幸せな人生だったな、って思いながら眠りにつきたい。




涼平はそう言った。