君色の夏





それでも……涼平は頑張っているんだから。




生きることを諦めずに、まっすぐに生きているんだから。




私が泣いちゃダメ。




そう自分に言い聞かせて、必死に涙をこらえた。




「涼平、ほら。お茶買ってきたよ」



「ありがと、千夏。今日は青汁じゃないんだな」



「え? だって涼平が青汁は嫌だって泣くから」



「はっ!? 俺、泣いてないし!」



涼平と顔を見合わせてふふっと笑う。




こんな他愛もない会話が、何より楽しかった。




ある日、私が病室に行くと、いつも寝ている涼平が今日はベッドに座って本を読んでいた。




「あれ、涼平。今日は寝てなくて大丈夫なの?」




「あ、千夏。今日はちょっと、調子が良くてさ」




涼平は本から顔を上げると、私を見てにっこりと笑った。