君色の夏






誰もいない、真っ暗な病院の待合室。




私はソファでひとり、座っていた。




ショックが大きすぎて、立ち上がることができなかった。





涼平が倒れた1週間前のあの日よりも、ショックが大きかった。




今度こそ、これは夢なんじゃないかと本当に疑うほどだった。






『俺……あと1カ月も生きれらないかもしれない』






涼平の言葉に、ただ私は呆然とすることしかできなかった。




一番辛いのはきっと涼平なのに、私はなにをしてあげることもできない。




あの町に来て、何も知らなかった私をいろいろな所に連れて行ってくれた涼平。



涼平のおかげであの町の生活を楽しめたのに、私は何をすることもできない。




医者じゃないから、涼平の病気を治すこともできない。



魔法使いじゃないから、涼平を見守ることしかできない。