君色の夏






「なによ、そんな……。冗談やめてよ」




意味が分からない。




「冗談じゃないよ。千夏や梨紗や、春斗にも……迷惑掛けたくないからさ」




「迷惑なんかじゃないって! 迷惑なんて思うわけないじゃん。涼平のためなんだから」




迷惑だなんて、思わないから。




私もりっちゃんも春斗も、涼平に早く良くなってほしいって、ただひたすらにそう思っているんだよ。



私だって、迷惑だって思っているくらいなら一時間もかけてお見舞いに来るわけないじゃん。




「千夏たちに心配を掛けたくない。千夏だって、せっかくの夏休みでおばあちゃんの家に来たのに……俺のせいで、夏休みを台無しにしてほしくない」




「台無しになんかならない。涼平のそばにいるだけで、私は楽しいから。だから、お願いだからそんなこと言わないで」




「でも………」




涼平は、やっぱり腑に落ちない様子だった。