「でもさ、俺の周りはみんな優しい人ばっかりだったよ。梨紗も、涼夏も、春斗も、もちろん千夏も。俺が病気だって知っても、何も変わらなかった」
涼平は窓の外を見ながら、嬉しそうにそう言った。
「でも、俺が病気だからって気を遣われるのも嫌なんだよ。いつも通り、普通に接してほしいんだ」
私は、十分普通に接してますけど。
たぶんそれは、りっちゃんも、涼夏ちゃんも、春斗も、変わらないと思う。
三人とも、そういう人だから。
「なんかさ。俺、最高に恵まれてるみたい」
そう言って笑った涼平の笑顔は、さっきと違って本当の笑顔だった。
「俺、本当に感謝してるよ。千夏にも、梨紗にも、涼夏にも、春斗にも。だから、みんなに辛い思いさせたくない」
急に涼平は、真剣な顔になった。
どこかさびしげな、それでも真剣な横顔。
「だからさ……千夏。もう、ここには来ないでほしい」
「………え?」
ここには来ないでほしいって……どういうこと?

