君色の夏





「分かってるし!」



「分かってんなら、こんなところでなにやってんの!? 誘拐でもされたいの!?」




「なわけないじゃん!」




「じゃあ早く来なさいよ!」




りっちゃんに手を引かれ、近くに止まっていたタクシーに乗せられた。







タクシーが走り出すと、私もりっちゃんも落ち着きを取り戻した。




「ごめん……りっちゃん。勝手に病院出て行って」



「ううん……大丈夫」



きっと、たくさん探してくれたんだよね。



もう、私が出て行ってから3時間も経ってるんだから。



しばらく、二人の間に沈黙が流れた。




「あのさ………千夏。これは本来なら、涼平から話すべきなんだけど」



りっちゃんが、うつむいてそう言った。