君色の夏





でも、いくら願っても、ただただ降り続ける雨に現実に戻されるだけだった。




しばらくベンチで座っていると、誰かが私を呼ぶ声が聞こえた。




「千夏ー!」



ああ………りっちゃんだ。



「千夏ー! どこにいるのー!?」



だんだん人影が、こっちに近づいてくる。




「ち……千夏! あんた……何やってんのよ!」




「りっちゃん……」



「どれだけ探したと思ってんのよ! バカ!」



もう、バカでも何でもいい。




私がうつむいたままベンチに座っていると、急に肩を掴まれた。



「こんなとこでボケっとしてんじゃないよ!」



見たこともないりっちゃんの表情に、私は驚いた。




「涼平が倒れたんだよ! ただの熱中症とか、そんなもんじゃないんだよ!」



そんなこと、分かってる。