「女同士の話か」
「年頃の女の子は色々あるのよ」
そうフォローしたが、それに伊織はピクリと肩を震わす。
「莉奈、彼氏でも出来たのか?」
そう問う声が少し低い。
それに莉奈もビクッとする。
「お兄ちゃんには関係ないでしょ」
「ある! お前いくつだ! まだ19だろ」
「もう19よ。そんなこと言ったらお兄ちゃんなんて結婚してたでしょう。amemiaの副社長もとあろう人が妹の恋愛にうるさく口出さないでよ」
そう言われて言葉に詰まる。
この手の話は伊織には部が悪い。
莉奈も兄の心配をわかっているからこそ、つい突き放すような言い方をする。
相談された莉奈の相手が伊織に似たタイプだと知ったらこの男はどんな反応をするのだろう。
知りたくなったが、女同士の話を伊織にするわけにはいかない。
「伊織。心配するようなことじゃないから大丈夫よ」
「でもなぁ」
伊織はブツブツとなにやら不満げだ。
可愛い妹が心配でならないのだろう。
莉奈はそんな兄をほっといて、相談できたことに満足して帰っていった。
「あ、伊織。カインからメール来てたよ。奥さんとの間に2番目となる双子が産まれたって」
「今度は双子か。あっちも大変だな」
あれからカインは奥さんともとに戻り、今は三人の子育てに追われているそうだ。こうしてたまにメールが届く。
しかし、先程から伊織の声に元気がない。
どうしたのか聞いたらため息が出ていた。
「いつまでも小さな妹じゃないんだよな」



