「ただいまぁー! ママー」
「お帰りなさい、廉」
リビングが空いて、小さな可愛い男の子が胸のなかに飛び込んできた。
雨宮廉。今年で五歳になる男の子だ。
「ただいまぁ、蘭ちゃん」
廉が妹に触ろうとすると、ヒョイと体が持ち上げられた。
「こら、廉。帰ったらまず手洗いうがいだろ」
「パパは?」
「もう済ませてきた。行ってこい」
そう促されて廉はパタパタと洗面所へ向かった。
「お帰りなさい。公園に連れていってくれてありがとね」
「あいつキャッチボール上手くなったな。で? 女同士の話は終わったのか?」
伊織は蘭の頬を撫でながら、莉奈と私に視線を向けた。
「うん。真琴おねぇちゃんに相談できて良かった」
莉奈は照れ笑いをして私を見た。
今日は莉奈が私に相談があるとのことで、その間、伊織には廉を連れて家を出ていてもらったのだ。
「どんな相談したんだ?」
「……聞く? 普通。お兄ちゃんに出来ないからお姉ちゃんにしたんじゃん」
わかってないな、というようにため息をつかれる。



