君の花嫁~大学生編~



10年後――――


「おねーちゃーん! 大変、大変!」


リビングから大きな声がして様子を見に行くと、細身の可愛らしい女性が眉を八の字にしてこっちを振り返っている。


「どうしたの?」
「蘭がうんちもらしたぁ」


見ると床に寝かされた赤ん坊のオムツから便らしきものがチョロッとはみ出ている。幸いにもオムツを交換しようとしたようで、床にも回りにも被害はないようだ。


「莉奈ちゃん、大丈夫よ」


私は手早くお尻を拭いてオムツを交換する。


「ありがとう。開けたらはみ出て焦っちゃった」
「廉の時にオムツ交換してたじゃない。何を今更」
「廉の時は一度しかやったことなかったんだもん」


そう言って、莉奈は苦笑いをした。

莉奈が大学生になったことをきっかけに、義母も揃って日本に帰国した。
義母、春香さんの体調ももう心配はないようだ。

そのタイミングで私達は雨宮の本家を出て、程近いマンションに移り住んでいる。