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「学生じゃなきゃな」
「え?」
「学生じゃなきゃ子どもつくれたのに」
そう言って、腕のなかで微睡む私の前髪を横に流す。
少し切な気な顔に胸が痛くなった。
「子ども、欲しいの?」
「真琴は欲しくないの?」
「欲しいけど」
今はまだ大学に通っているし、せめて卒業はしたかった。
「真琴の気持ちはわかってるよ」
優しく微笑んで抱き寄せる。
どうしたのだろう。
伊織の不安が伝わってくる気がした。
「どうしたの?」
素直に聞くが、半面眠気に襲われており、呂律が怪しい。
「私は伊織だけだよ。だからそんな顔しないで」
「うん。わかってるよ」
わかっているといいながらも、目が悲しそう。



