君の花嫁~大学生編~




黙ったままの伊織に戸惑っていると、ソファーに座った義父が面白そうに笑って、私たちに座るよう促した。


「気にしないでいいよ、真琴さん。たいしたことじゃないんだ」
「十分たいしたことだけどね」


義父の言葉に棘のある言い方で伊織は言い返す。
私は訳が分からずただ首を傾げるだけだ。
すると義父は膝に乗っている莉奈を下ろしてから言った。


「来週からしばらく、留学生を預かることになったんだ」
「留学生、ですか?」


留学生を預かるということは、つまりはこの家にホームスティさせるということだろうか。
この雨宮家は和風の作りである屋敷だが、敷地も家もお金持ちにふさわしく大きく広い。留学生くらい預かるにはどうってことはないだろう。


「君たちと同じ鳳凰大学の国際学部に短期留学する。彼は君たちと同じ年だよ」
「彼と言うことは男性ですか」
「うん。彼の名前は、カイン・フィバルト・オーリングス。小国、オーリングス王国の第三王子だ」