「やっぱり海のとこにいると思ったよ」
「…なんで来たんだよ」
「なんでって、空がLINEしてきたじゃん」
「いや…返事なかったし。俺はてっきり佐々木のとこ行ったかと」
「うん、行ったよ」
「…」
「でも、佐々木君が空のところに行ってこいって」
「あいつが?」
「うんっ、それに私」
「…」
「初めから空のところに行くつもりだったから」
「返事ないのにか」
「そ、それはごめん!時間なくて…」
「は?言い訳か?」
「ごめんってばー」
「まぁいいけど」
「うん…。私は空が好きだよ?」
はっ、なんだよ。
「空は?」
俺の顔をのぞき込んでくる果歩。
近いし、やばいから!いろいろ。
「俺は…」
ここで言うのか?
でも、今がチャンスなのかも知れない。
「ん?」
「俺はな、」
「あーっ!」
「はっ!?」
「花火終わっちゃったぁー」
「あ」
「もー、全然見れなかったじゃん」
「俺のせいかよ」
なんだよマジで。
調子狂う。
「で?空は?」
「は?好きなわけ無いだろ、バカにすんな」
俺はそう言って立ち上がった。
「ふーん?そうなんだ」
それなのに果歩は嬉しそうだった。
「なんだよ…」
「ううん!空と花火見られて嬉しかった」
「そう…」
俺は果歩が好きみたい。
けど俺の気持ちを伝えるのは、まだまだ先になってしまった。