「…何?」
昨日、果歩から好きだと言われた。
すげぇ嬉しかったのに、何も言えなかった。
「やっぱりここにいた」
「…」
春馬は俺達に気遣ってくれたんだろ。
果歩は俺の隣に座る。
「なんかごめんね」
「何が?」
「私に会いたくなかったよね…」
…そんなわけ無い。
「違うから…」
「うん」
やべ、何話せばいいんだろ。
「飯…食ったのか?」
「あ、うん」
「そか」
話なくなった。
「あ、あのね空…」
「あ?」
「昨日の事、本気だからね。私…諦めたくない。空にもしも彼女が出来ても私、諦めないから」
なんだよそれ。
俺に彼女なんか出来ないし。
今まで何のために他の女振ってきたんだよ。
「ごめんね、それだけだから…」
そう言って果歩は立ち上がる。
俺は果歩の手を掴んだ。
「空!?」
「行くなよ」
「え…?」
「花火大会…」
「…ぁ…えっ、と…」
「いや…ごめん」
俺はぱっと果歩の手を離した。
「うん…じゃあまた後でね」
「あぁ」
最悪。俺なにバカなこと言ってんだよ。

