「…ちゃん、果歩ちゃん!」






「…先…輩…?」






そこにいたのは息切れの先輩だった。






あれ私…壁に寄っかかったまま寝てたみたい。






なんでまた先輩が…。






「空帰ったよ」







「えっ、嘘!?」






「でも今から走っていけば間に合う」






「本当ですか!?私…行かなきゃ」







私は鞄を持って立ち上がる。






先輩には本当、なんとお礼を言ったら言いのか。






「うん、行ってらっしゃい」






最後に先輩に






「この恩は必ず返します」





と言って、屋上のドアを出た。