今日は空と一緒に帰る日。
「果歩またね!」
緑はグッドポーズをして教室を出て行った。
教室には、まだ空がいた。
相変わらず空は皆に囲まれていた。
ま、何も言わなくても集合場所は屋上くらい分かるよね。
そう思って私は教室を出ようとした。
ら、
「果歩!」
!!!????
なんでここで私の名前を呼ぶのー!?
皆こっち見てるじゃん!
よし、ここは。
「なんですか」
冷たく接するのみ!
「俺今日部活行かないんだけど」
「え…あ、そうですか」
「は?何優等生ぶってんの?」
って、笑われた。
わざとか!
「別にそんなつもりは無いですけど!」
「ふーん?じゃあ一緒に帰りません?」
と、空は言ってきた。
コイツ、皆の前だから遠慮してるのか?
皆がざわざわする。
中には
「え、もしかして?」
とニヤける男子や
「もしかして付き合ってるの?」
と、空の顔をのぞき込むように聞く女子や。
全て回答してやろう。
もしかしてってなんですか!
その続きにはどう言う意味が込められていますか!?
それから私達は決して
付き合ってません!
それは紛れもない誤解です!
よしおっけ。
心の中で答えたもんねー!
そんな空は私を見て笑った。
あれ、最近よく空が笑った顔見るな。
コイツこんな顔してたっけ?
なんて言うかな。
優しそうな顔してる。
空は立ち上がり私の元に歩いてきた。
「ん?行かないの?」
と空は私に言った。
「は、はい」